宅地の液状化についてのお話し 4
こんにちは、技術開発部の黒岩です。
当コラムでは、地盤調査法と液状化についてお話ししております。
今回は、スウェーデン式サウンディング試験(Swedish Weight Sounding test)をご紹介いたします。
その名の通り、北欧のスウェーデン国有鉄道が不良路盤の実態調査として使用したのが始まりです。日本にも1954年頃に堤防の地盤調査として導入されました。1976年にはJIS規格に制定され、現在の戸建住宅向け地盤調査では、最も多く採用されており、弊社の調査業務も殆どがこの試験となっております。
調査方法は、ロッドと言われる鉄の棒に、先のとがったスクリューポイントを取り付け、重りの付いた小型の調査機にセットします。ロッドを回転させながら地中に貫入し、25cm貫入するのに必要な荷重と、半回転数から土の貫入抵抗を求めます。これを深度10mまで予定建物の四隅と中央の5ヶ所で行い、
水平・鉛直方向に存在する土の強度バラツキを見極めます。
貫入時の音(ガリガリやジャリジャリ等)から土質(粘性土や砂質土等)の変化もわかりますが、試験者の経験や感覚で個人差が出やすいので、あくまで推定土質となります。
皆さんも記憶に新しい東日本大震災では、多くの地域で液状化現象が発生し、大きな被害がでました。そういった経緯もあり、現在では支持力の確認だけでなく、サンプリングによる土質確認や、正確な水位測定等、液状化発生リスクを把握するための研究・開発を各会社が進めております。
弊社でも、誰もが正確な土質を判別できるように『S.S.Jサンプラー』と言う自社開発のサンプラーを利用し、SPTにも劣らない土質サンプリングを行っております。
また、試験孔を利用し、電気水位計にて地下水位を正確に測定することができますので、『S.S.Jサンプラー』にて採取した土質試料と併せて精度の高い液状化判定も可能となっております。
S.S.Jサンプラー S.S.Jサンプラーにて採取した試料