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岩手・宮城内陸地震及び岩手県沿岸北部地震でのHySPEED工法現場報告

1.はじめに

  HySPEED(天然砕石パイル)工法は2007年4月に誕生し、今現在335棟の施工がされております。
  地震時の衝撃に強く、液状化に対応できる地盤改良工法として多くのご支持をいただいております。
  そこで実際に大地震の起きた地域でのHySPEED工法現場を実際に確認し、レベル測定及び外観調査を行うことでその検証を行いましたので、ご報告いたします。

2.対象となる地震とその被害状況について

@ 岩手・宮城内陸地震
2008年 6月 14日 午前8時43分 発生
震源地 岩手県奥州市
マグニチュード(M) : 7.2
最大震度 : 6強

家屋の倒壊は少ないが、窓ガラスが割れ、家具が倒れるなどの被害があり、一関市の祭大橋が壊れるなどの大きな被害がありました。
この地震では「トランポリン効果」といわれる上に向けて、飛び上がる現象がおき、その加速度は4000ガルを超えているものでした。

A岩手県沿岸北部地震
2008年 7月 24日 午前0時26分 発生
震源地 岩手県沿岸北部
マグニチュード(M) : 6.8
最大震度 : 5弱
(震源と震度分布は右図の通り)

3.HySPEED工法施工該当現場の状況について

@ 岩手県一関市(震度5強)
構造:木造2階建て
基礎形状:ベタ基礎
家の幅:10,465mm
家の長さ:8,645mm
施工日:2008年1月24日
経過日数:280日

HySPEED工法施工概要
杭長 3m 2.5m
本数 10本 31本
土質 粘性土
設計支持力 30KN/u

外観の観察報告
基礎部分にクラックの発生なし
外壁の破損なし
屋根の破損なし


レべリング報告

測定番号 測定値mm 傾き
1 327 0 0.000%
2 327 1 0.012%
3 326 3 0.029%
4 329 2 0.023%

[ 総括 ]
  上記の通り、外観に問題はなく、レベリングの結果も良好でした。近くには右写真のように古い家屋で傾いている建物もありました。写真中の左側家屋はHySPEED工法施工物件で、被害はありません。

A岩手県盛岡市 U邸(震度5弱)
構造:木造2階建て
基礎形状:ベタ基礎
家の幅:7,735mm
家の長さ:9,100mm
施工日:2008年3月15日
経過日数:230日

HySPEED工法施工概要
杭長 2.25m
本数 20本
土質 粘性土
設計支持力 30KN/u

外観の観察報告
基礎部分にクラックの発生なし
外壁の破損なし
屋根の破損なし


レべリング報告

測定番号 測定値mm 傾き
1 225 1 0.013%
2 226 2 0.022%
3 228 2 0.026%
4 230 5 0.055%

[ 総括 ]
  上記の通り、外観に問題はなく、
レベリングの結果も良好でした。

4.まとめ

  今回の岩手・宮城を中心とした地震の被災をされて、今なお復旧にご尽力されている方にお見舞いを申し上げます。
  宮城・岩手内陸地震及び岩手県沿岸北部地震においては、飛び上がるような揺れ方の特徴があり「トランポリン効果」という特別な名称がつけられるものでしたが、家屋の被害は少なく、ガラスの破損や、壁のひび割れが主なものでした。
  新築の家屋が傾くなどの大きな被害がなかったことは幸いであり、不幸中の幸いと思います。
  HySPEED(天然砕石パイル)工法で地盤改良をした現場も今回の地震による損害がないことを確認できました。特に、レベリング測定での水平性が確認できたこと、基礎部分にクラックが一つもなかったことは大きな自信となりました。
  今回の地域は粘性土のため液状化の被害がなく、この点の検証はできなかったのですが、液状化に対しても、HySPEEDの有効性がお役にたてることがいずれあるやもしれません。
  最後に今回の調査では株式会社パーツ産業 齋藤 敦次長様をはじめ、地盤改良チームの方にお世話をいただきまして誠に有難うございました。厚くお礼を申し上げます。

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